M型ライカを購入する時に、究極の2択に迫られる。
ブラックペイントを購入するのか、それともシルバークロームにするのか。
なんせ、ここで決める選択がその後のライカライフの質感を決めてしまうからだ。
おそらく10年間は使うであろうカメラ。その後使わなくなっても大切な持ち続けるのだろうと思う。
だからこそ僕にとって色の存在はおおきい。
「人生の道具」として考えるならシルバークローム
究極に悩んだあげく選んだのはシルバークローム。
僕がシルバーにこだわったポイント、それは「道具らしさ」が欲しいと思ったからだ。
この「道具」という言葉には、単なるツールということを超えて、いろいろな意味合いが込められている。
- 愛着を持てる
- 生涯を通して大切にするもの
- 人生にいつも携えておきたい道具
- 世代を超えて継承されていく
などの意味合いが、僕にとっては込められている。
「職人さんが愛する道具」のような雰囲気でしょうかね。
ブラックペイントは軽さを重視してアルミで作られている。一方シルバークロームとは真鍮素材の削りだしで作られている。
道具として考えた時、真鍮性にどうしても心が引かれてしまう。ずっしりと重い。硬さ、やわではない質感、色々なものが手を通して伝わってくる。なぜか「真鍮削り出し」という言葉に弱いのです 笑
さらにはブラックペイントは名前の通り、黒色にペイントが施されているのに対して、シルバークロームはペイントされていない。素材の色そのものだ。この辺りも道具として愛することができるポイントだ。
何よりシルバーの方がクラシカルな印象を受ける。暮らしに馴染んでくれる。
さりげなくテーブルでおいておいてもいいし、カフェなどで作業をしている際にそっと隣においておいても得になる。
何より旅感が一気に増してくるような気がしてくる。むちゃくちゃ主観ですが。
シルバーとブラックで重量の差は感じない
ブラックペイントの最も特徴的な点は、シルバークロームよりも120gほど軽いという点。
ですが、実際店頭で持ってみるとわかりますが、そこまで違いを実感することはありません。
これはM11を持っている人のほとんどんが共通の見解を示しています。
そう、どうせM11は重いんです。
もちろん、ハイエンドレンズを装着したミラーレスよりは軽くなりますが、それでも、こんな小さな見た目に対して重い。サイズと重量のギャップがすごい。
ずっしりときます。
また、ライカレンズは軽いものは軽いですが、重いものは重い。どうせ重いんだなぁと購入して気がつきました。また、だからと言って嫌かと聞かれるとそんなことはありません。
それはどう考えたって他のミラーレスよりは軽いわけですから。
ブラックペイントが欲しくなる時がある
僕はとにかく人生を豊かにする道具としてのカメラが欲しかった。故にシルバークロームを選んだわけですが、時折、というか結構ブラックペイントが欲しくなる時がある。
理由は「軽量だから」ではありません。さっきお伝えしたように重量はぶっちゃけどうでもいい。
それより僕が重視したいのがステルス性です。
シルバークロームはよくも悪くも、黒とシルバーでコントラストが効いていて目立ちます。
そしてクラシカルな印象や、レトロなおもちゃとしての印象を与えるので、良くも悪くも興味を持たれてしまいます。
これ、スナップ写真の時に邪魔になっちゃいますね。。。
それがブラッククロームだったら、もっと自然と風景に溶け込めるんだろうなぁと思うわけです。
僕の服装もだいたい黒色が多いので。
ということで、「黒い服装を着ることが多い、かつステルス性を気にする人」にとっての正解はブラックなのだと思う。
これはシルバーを買ったからこそ気づいた事実でもあります。
なんせ、シルバークロームを買う前は、シルバーでも十分ステルス性があると思っていたんです。
だって、小さいじゃないですか。僕がそれまで使っていたミラーレスと違って。
つけるレンズによってはポッケに入ってしまうほどです。
だから「シルバーでも十分にステルス性が高い」はずだったんです。
ライカM11は日常遣いできるスナップカメラでもあるからこそ、よりステルス性を求めてしまう自分がいるのです。
ブラックペイントが削れていく楽しさを感じたい
そうそう、あと1つブラックペイントの良さといえば、ブラックが削られていくことではないでしょうか。
M11のブラックペイントは、多少のことではメッキが剥がれないように作られていますが、それでもぶつけたり色々していると、少しペイントは剥がれ落ちていくでしょう。
ですが、これがいいと思うのです。自分がつけた傷は愛せますから笑 人間で言うとところのシワみたいなところでしょうか。年とともに経験と共に深みが増していくしわです。
実際シワは増えて欲しくありませんが 笑
ブラックペイントが剥がれていく様を共にできるのはある意味で、至福な体験とも言える。
この記事のためにM11をLeica Q2で撮影しにいった。
この記事に掲載する用の写真としてM11を撮影しに近くの海まで出かけた。Q2でM11を撮影。
自分の愛用カメラで何か撮ることはあっても、自分の愛用カメラ自体を撮影することって滅多にないですよね。色々なところに置いてみたいのですが、コンクリートの上などは傷がつかないように慎重に置きます。
まぁでも傷が付いたらついたで、その傷まで愛して行こうというのが僕のコンセプトなので、その時は仕方ないですね。